Column

~幸福度を高めるために~

3月19日、国連が『世界幸福度ランキング』について発表しました。

フィンランドが4年連続で1位、2位デンマーク、3位スイスと続く中、日本は56位でした。

(それでも昨年よりは4位上がりましたが・・・)

もちろんこの調査がどこまで正確なものなのか議論の余地はありますが、調査の結果、日本人は上位

10か国と比べた時に、特に『自由度』と『寛容さ』が低いことが分かっています。

ここでの『自由度』とは、人生で選択できる自由度を指します。

人は、「自分で選ぶことが出来ている」と感じた時に、幸福感を得られます。

また、『寛容さ』とは、自分と意見が違う人達や立場が異なる人達の意見を聞き、どれだけ理解を示す

ことが出来るかを指します。

それにより、人とのつながり(温かい人間関係を築くことが出来ているかどうか)で幸福度が決まる

とされています。

『自由度』と『寛容さ』、この2つが日本人の幸福度を高めるために必要な要素です。

さて『自由度』の観点からいくと、園では選択制保育を取り入れています。

例えば…午前中の活動で【ネイチャーゲーム】・【科学】のどちらか好きな活動を選んで参加する。

食事の時間では、「お腹がすいたから早く食べたい」と1便を選ぶ・「もう少し活動から食事に行きたい」と2便を選ぶ、など。

一斉に活動するのではなく、一人ひとりの子どもが自分で興味のある内容を自ら選択し、取り組む機会を設けています。

それにより、子どもの自己教育力(モンテッソーリ教育の考えで、子どもは自分の興味あるものに取り

組むことで自らを成長させる力を持っている)が発揮され、自ら考えて行動する(=自立)へ向けて成長していきます。

『寛容さ』では、『人とのつながり』がキーワードとして挙がっています。

園では、横割りクラスだけでなく異年齢クラスでも活動を行ったり、日々生活をしています。

その中で、つい必要以上にお世話をして嫌がられてしまったり、友達と同じ教具を使いたくなったり、

誰が先頭に並ぶか一番の取り合いになったり・・・

など、お互いの主張がぶつかりトラブルになってしまうこともあります。

話し合いで解決する場合もあれば、まだまだ相手の意見を受け入れることが出来ない子もいます。

そんな時はサークルタイムを行います。

どんな気持ちだったか、どうしたかったのか、お互いに話すことで相手の気持ちになってみたり、周囲の友達の意見を聞いてみたり、共感する経験を積んでいきます。

また「あるて」で制作を行った後は、皆で鑑賞会を行います。

職員がその作品で際立った部分を見つけて紹介したり、自分でもポイントを人前で発表します。

自分の作品を認めてもらうことの喜びや、他の子どもの作品を通し、違った考えや意見、発想を受け入れ認める、という経験をします。

あるてを通しても、他の考えを柔軟に受け入れる心、寛容さが育ち、人とのつながりが定着していくの

だと思います。

これからも一つ一つの保育や活動の意味を考え、子どもの成長へ向け実践していきます。 (中野)