Column

異年齢保育で育まれるもの

新年度になり、早くも一か月が過ぎました。

初めての園生活に緊張している子や、クラスが変わり少し不安そうな子、親元から離れ泣いてしまい、抱っこしてもらっていた子…4月当初はそのような姿も見られましたが、少しずつ園での生活に慣れ、職員と信頼関係を結ぶことで、落ち着いて過ごす姿が見られるようになってきました。

園内で室内活動やさくらんぼリズムをしたり、戸外に散歩に行ったりと活動を行っていく中でいろいろな“楽しい”を発見出来ているようです。

また、在園の子ども達が新入園児さんに対して「大丈夫?」と頭を撫でてあげたり、「これ面白いよ」と玩具を代わりに選んでくれたりと微笑ましい姿も見られます。

 

私達の法人では、異年齢での生活を大切にしています。

子ども達にとって、年齢の異なる友達と関わることは大きな刺激になり、成長へとつながります。

異年齢保育を実践することにより、例えばこのような成長・姿が見られるようになります。

 

・お世話をすること、されることの喜びを感じる

・年上としての自覚や責任感が芽生える

・年上の友達に憧れの気持ちを持ち、真似してみる

・思いやりの気持ちが育まれる

・互いに刺激し合い、協調性や社会性を養う

・人の違いを受け入れる力が育つ

 

お世話をしてもらった子は喜びと安心の気持ちを感じ、お世話をした子は人のために何かをしたいという気持ち、感謝されることの喜びを感じます。

時には手を出しすぎてしまったり、どう関わっていいか悩む姿もありますが、その都度、職員の関わりを見て真似てみたり、相手の気持ちを考えてみたりと、自分で考え行動していくことで少しずつ成長していきます。

また、お世話をされた子は大きくなった時に、自分のしてもらった記憶を思い出しながら、今度は新たに小さい友達のお世話をします。

少子化が進み、異年齢で交流したり生活する機会を持つことがなかなか難しい現代だからこそ、異年齢での関わりは大切になってきます。

今後はこれまで以上に異年齢活動を充実させていくとともに、子ども達一人ひとりの発達や成長に合った環境作り、活動の提供をしていきたいと思います。

 

(中野)