Column

アクティブラーニング

最近、耳にするアクティブラーニングというワード。教育の改革が大きくされようとしている今、さまざまな所で使われていますが、どのような意味かご存知ですか?

アクティブ・ラーニングは、「どのように学ぶか」といった一人ひとりの学び方に注目して、「主体的、対話的で深い学び」という学ぶ力を生涯にわたって身につけられるようにしていこうというようなものです。

何だか難しい感じですが、簡単に言えば、子ども達が学ぶ楽しさを知り、興味や関心のあることを自分のやり方、方法で深く学び、そこで感じた疑問などを自分で解決できるようになる、ということを目標とした学び方なのではないかと私は捉えています。

もちろん、幼児期にそれが完成するわけではありません。将来的にそういうことができる人に成長するために、幼児期はそのような考え方のさまざまな練習?のようなことを積み重ねていくことが大切です。

 ぱんぷきんずでは、モンテッソーリ教育を取り入れていますが、モンテソーリ教育の理論はまさにその通りで、例えば朝登園してきた子どもは、朝の会までの時間をどう過ごすか?ということを自分で考えます。園庭で思い切り走り回って遊びたい子、教具をじっくり取り組みたい子、砂場の横の植栽に目を向ける子とさまざまです。

ある子どもが植栽にくっついている虫を見つけました。

「先生、虫がいるよ。この虫なんていう虫かな~。」と尋ねてきました。保育士はすぐに答えは教えません。「わ~本当だね。何ていう虫かな~?調べてみたらどうかな?」と投げかけます。

すると、子ども達は「図鑑見てみよう!」と言って探し始めます。そこで見つけた時は大喜びです。

「先生、見つけたよ。○○っていう虫だった」と誇らしげです。でも、ここで終わりにしてはもったいない・・・。子どもがそこで満足したら終わりでもいいのですが、本当のアクティブラーニングは、そこからがまだ続くのです。

その虫は何を食べているんだろう?この木にしかつかないのかな?どこから来たのかな?など疑問が出てきたら最高です!!それをまたどう調べるか?そして、一人で調べるのか?仲間と一緒に調べるのか?仲間と一緒ということは、そこで話しあったり、共感したり、時には意見が食い違い葛藤したりとさまざまな気持ちを味わいます。もしかしたら、その虫を作ってみようということになるかもしれません。

すると、そこでは、どんな材料が必要か?それを確保するにはどうしたらいいのか?など考えます。

そして、作りながらうまくくっつかない部分があったり、うまく形にならなかったりすることもあり、その課題を解決するためにどうするかを考えます。間違ったらそれに自分で気が付き、違う方法を試してみる。そうやって、自分で考え解決する過程にも学ぶ楽しさはあります。もちろん、幼児はまだ一人では、最終的には解決できないことも多いので、大人が一緒に寄り添って考えることは大事です。

現代は、グローバル化、IT化が進み、AIが目覚ましく進化しているので、知識はすぐに使えなくなってしまったりして、仕事や生活の中では、もはや知識だけでは通用しない時代になってきました。

しかし、アクティブラーニングは、やはり知識があってこそできるものであると思うので、今後も園では、子ども達が自分でなるべく体験や経験を通して学べる機会を増やし、友達とともに遊び、生活する中で自分の意見を伝えたり、考えたりすることを大切にしていきたいと思います。

(岩澤)