Column

マスク生活で子どもたちに異変…?

最近、ニュースなどでこのような見出しを目にする機会が増えてきました。

大人がマスクをつけて子どもと接していることで「表情を読み解く力が育たない」「言葉が遅い」という

子が増えてきているのではないかという内容です。

 “新生児の脳は”生命維持に必要な呼吸や心拍、食欲を司る「脳幹」と不安を察知する「偏桃体」だけが完成された状態で生まれてきます。

その他の脳発達は『その後に関わってくれる人と環境によって作られる』と言われています。

0~3歳で子どもの人格の基礎が形成されます。

その後の自分の性格や特性、行動、思考に大きく影響する時期であるとともに、やり直しがきかない基礎の時期とも言われています。

園では日頃から関わっている中で、笑顔で接することで子ども達に安心感を与えていますが、逆にいけないことをした時には『だめだよ』と真剣な表情を見せてメリハリをつけています。

この日常の何気ない関りから、子ども達は大人の口の動きや口の形、表情と言葉の一致をさせたり、いわゆる“空気を読む”というのも大人を介して顔全体の表情を見ることで習得しています。

ただ、コロナウイルスによりマスクをつけた生活では、口の動きや形は見えない、表情がわかりづらいという弊害が出ています。

赤ちゃんは大人の目だけを見ても、笑っているのか怒っているのか、わかりません。

生後2か月で赤ちゃんは笑うことを身に着けますが、それは両親をはじめとした周りの人の表情を真似ることで、笑うことを学んでいるのです。

ある実験では、周りの大人が無表情であると『子どもはとても不安になる』ということが立証されて

います。

それを考えると、マスクは大人の表情を隠し、子どもを不安にし、笑顔や言葉を学ぶ機会を減らして

しまっているのではないか、と思います。

感染予防もとても大事ではありますが、子どもの発育リスクも考えなければなりません。

後から取り戻せるもの(成長)もありますが、ある一定の年齢でのみ、吸収する成長もあります。

今後園でも何らかの手だてを考えていきたいと思っていますが、園では職員がマスクを外すのは難しいこともあるので、ご家庭では、お父さん・お母さんの表情をたくさん見せてあげて頂きたいと思います。

また、食べる手本や話すときの口元、物の名前と口の動きも、是非お子さんに伝えてあげて下さい。

(園では乳児期は食事をするときには『あむあむ』『もぐもぐ』と声をかけながら食べ方の手本を

見せたり、『〇〇はおいしいね』『このお野菜は〇〇って名前だよ』と言葉を知らせています。)

この子達が大きくなった時、「表情が乏しくて感情表現が苦手だね」と言われることがないように、

コロナ禍でも意識して育てていきましょう。

園でも、自立・自律した大人になるために、今の時期の発育に目を向けて、子ども達がすくすくと成長

出来るお手伝いをしていきます。