Column

~ママのスマホになりたい~

2016年に出版された『ママのスマホになりたい』という絵本をご存じでしょうか?『ママ、もっとボクのこと見て!』という見出し付きで、今の親子関係について考えさせられるストーリーになっています。

内容はブロック遊びなどをしていて『ママ見て!』と声をかけてもママはずっとスマホを見ていて

ボクのことを見てくれない・・・。

いつになったら見てくれるのかと、怒った顔をしてみたり、言葉遣いを悪くしてみたり…

だんだんとママへの反抗も大きくなりますが、ママはボクが怒っている理由がわかりません。

ある日、園で将来の夢を先生に聞かれると『ママのスマホになりたい』とボクは話しました。

この話をしている時にママがお迎えに来て、ボクの胸の内を聞きました。

ボクの感じていることを聞いたママは、ボクと話をして謝りました。

ボクもママと話が出来たことで気持ちが晴れて・・・話は終わります。

 今年はコロナの影響もあり、自宅で過ごしている人も増え、スマホを使っている時間が特に長く

なっている、とニュース等で目にすることがあります。

皆さんは、子どもの問いかけにどのように返答をしているでしょうか。

子どもの問いかけに目を合わせず、反応もあまりしないでいると…

・子ども自身のコミュニケーション能力が衰える

・愛着障害になる

・信頼関係の構築が上手く出来ない

・物事に対して臆病になったり、意欲低下、発達障害になる

・自己肯定感が得られづらくなる…

と言われています。

また、今は子どもの“聴く力”が弱くなっているとも言われます。

聴く力は相手の話を集中して正しく理解する力のことで、国語力の基本・基礎ですね。

この力を育むためには…

・親が子どもの目を見て話す

・具体的な行動につながる声かけをする

・子どもの興味に寄り添い、子どもの話をよく聞く(絵本の読み聞かせも効果的)

年齢に応じて言葉のかけ方に工夫は必要ですが、対話の中で子ども達は大きな学びを得ています。

日常の中で「自分を愛し、尊重してくれている」安心感や、言葉のキャッチボールが身に着いていけば、

「勉強しなさい」と言わなくても、自然と学習意欲や集中力が高まります。

コミュニケーション能力も上がり、考える力や調べることも自ずと出来るようになります。

また、相手の話を理解するということは想像力も使うので、想像と共感をもって相手と話す能力も

ついていきます。

スマホというツールはとても便利ですが、使い過ぎ・頼り過ぎで、「スマホ脳=オーバーフロー脳」に

なり、血液の循環が悪くなります。

前頭葉の血流が減少することで、物忘れ、意欲の低下、感受性や感情、判断力が、にぶるそうですから、

本当に気を付けなくてはいけませんね。

「スマホを使い過ぎると、何をしても心に響かなくなってしまう」とも言われます。

子どもと関わる大人が、感受性豊かにたくさんの刺激を共有したいものです。

デジタルは便利ですが、肌と肌が触れ合って伝わるものや感じることもあります。

子どもが家に帰ったら、家庭のぬくもりという“安全基地”で次の日のエネルギーを補充してほしい

です。

園も子ども達が毎日たくさんの経験をして、学びが得られる素敵な環境になるように、職員一同

これからも“子どものために”を考えた保育をしていきます。 

(北嶋)