Column

~違和感も伝えながら…~

違和感も伝えながら…

日常生活をしていると『あれ?なんか違うかも・・・』と感じることがありますよね。

でも、大人はその違和感を言葉にして行動しているでしょうか。

自分の常識や感覚から外れていると、何かしっくりこない…という気持ちになりますが、「今は言わなくていいかな」と思って言葉にしないことも多いのではないでしょうか?

しかし子どもであれば、何か違うな~と思えば「泣く・不貞腐れる・怒る」など年齢によって行動や語彙も異なりますが、思ったままを表現します。

例えば1~2歳のイヤイヤ期であれば自我が芽生える時期なので、『自分の思い通りに出来ない~』と

モヤモヤ(違和感)でいっぱいになります。

2~3歳になると、無意識の世界から意識的な世界へ成長し『自分の思いだけでなく、周りにも気づく』

という力が少しずつ付いてきますね。

ただ、子どもは、まだ世の中のさまざまなことがわからないため、得も言われぬモヤモヤ感があったり、

成長過程の中でたくさんの違和感を抱いていると思います。

それを解消するためには、子どもに一方的に大人が教え込むのではなく、まずは「どうしたの?」「そうだね」と受け止めてあげるのが大切です。

そして子どもが思い描くことが出来ない理由を説明したり、サポートをします。

 さて、実際に園では以下のような場面で、子どもの育ちを見守っています。

制作活動の“あるて”では…技法を同じにしながら、子どもが感じたことを作品として表現してもらい、最後の「鑑賞会」で自分が感じたことや、意識して作った部分を発表する、という時間を設けています。

他にも“サークルタイム”という、人の意見を聞いたり、自分の想いも伝える、という機会を作って

います。

リトミックなどは身体表現なので、言葉だけではなく“自分自身”で感じたことを表現する手段を伝えています。

これらは何度も繰り返しその活動をすることで、表現方法を理解して習得したり、年齢が上がるにつれ語彙も増えていくので、幅が広がっていきます。

 子どもは成長するにつれ、たくさんの経験をし、その中から自分に必要な“モノ”を集めていきます。好きなもの、好きな人、好きな遊び…も大切ですが、苦手なものや嫌いなことも同時に経験することも

必要です。

いろいろな経験を通して自分軸をつくっていくので、大人として出来ることは、なるべくそのものの

本質や意味を伝えることですね。

今年はコロナの影響で、特に今までの生活と異なることが、これからもあるかもしれません。

大人同様に子どもも何か違いを感じるかもしれませんが、今出来ることに目を向けて共に乗り越えて

いきたいですね。                                   (北嶋)