~非認知能力について~
前回の園だよりコラムでは子どもの敏感期について書きましたが、今回は非認知能力について
お話させていただきます。「保育所保育指針」もかわり、その中で非認知能力について書かれています。
また、2020年には大学入試が認知能力の知的分野の「覚える」から非認知能力である「考える」にかわるとも言われています。
さて、この非認知能力とは何でしょうか?
大きく言うと「感情(情動)をコントロールする能力」です。
例えば…
・自分に自信がある
・失敗してもくじけないで、やり抜く力がある
・大事なこと、必要なことがあったら、それに集中してやり抜く力がある
・感情や欲望を抑えたり(自制心)、我慢が出来る
・好奇心が豊かで創造性もある…
これらは数値で計ることができない、「思いやりがある」「やる気がある」といったように表すことが
難しいが生きる上で必要な能力であり、『生きる力』が備わっているかということになります。
他者のことを考えることができる・我慢ができる・やり抜く力があるということは言葉にすると
幼い子にはまだ早いと感じるようなこともあるでしょう。
しかし、保育園で生活する子ども達は年齢にかかわらずに集団生活の中でこれらのことを日々、
さまざまな活動を通して経験をしています。
一つにはモンテッソーリ教育です。
室内にはたくさんの教材があり、0,1,2歳児は手指をよく使う教材に触れ、3,4,5歳になると
「大きい・小さい」など触れて感じることができる感覚教具や文字、数字など少し難しい教具に
挑戦をしたり、他児がしていることに憧れや興味があるときには集中して繰り返し取り組むことで
できるようになっていきます。
これらは視覚的には【認知能力】の一つと感じられますが、その奥底には【非認知能力】の内容が
たくさん詰め込まれています。非認知能力を高めることができて初めて認知能力が高まっていきます。
子ども達が生きる20年後の未来・・・想像することが難しいぐらい多くの変化がある世の中。
当たり前のような「非認知能力」ですが、今の時代に改めてそのことの大切さが問われているので、
乳幼児期の何でも吸収する子ども達の環境を整えて一人ひとり子ども達の未来が幸せな人生になることを願って手をかけ、目をかけ、心をかけて、伸びようとする力を邪魔せずに「自立・自律」していけるようにかかわっていきたいです。
(北嶋)