~子どもの敏感期~
7,8月とプール・水遊びを楽しんでいる子ども達ですが、室内では水を使った教具に
触れたり、それぞれの興味があることに取り組んでいる姿が見られます。
4月から子ども達の成長に合わせて内容も変えているので、棚の中から好きなものを選び、椅子に
座って集中しておこなうことも増えています。
モンテッソーリ教育の中で、「子どもはできないのではなく、やり方を知らないだけ」とあります。
日々の生活の中で教具のやり方を提示して子どもに伝えると興味をもった子は職員が提示した教具を
選び挑戦しています。子どもが何に興味をもっているのか、どのような成長段階にあるのかを
よく観察して提示をしていくことを心がけています。
0~3歳は『秩序』敏感期であり、この時期だからこそ子どもは「こだわり」をもち、子どもは
順番・場所・所有物・習慣などにとてもこだわります。
生まれてきて間もない子どもが、自分の位置を把握するために、場所や所有物、順序などを厳密に
守ろうとする自然から与えられたもので、ちゃんと把握するまで場所、所有物、順序などはいつも同じであってほしいと願います。秩序の敏感期は生後数ヶ月から表れて2~3歳をピークにやがて人形を
大きい順に並べたり同じものを集めたりと知性の働きと重なっていきます。また、この時期は
「自分でする」という願望が表れる時期でもあり、自立への第一歩です。
3~6歳は『感覚・運動』の敏感期であり、この頃に五感が研ぎ澄まされて「感覚器官の敏感期」
「運動器官の敏感期」がピークを迎えると言われています。
0~3歳の時期に感覚は「感覚の探求、ため込み」で見たもの、聞いた音、匂い、感触などをため込む
時期であり、運動は「運動能力の発達」でスポーツ等をすることではなく、立つ・座る・運ぶなどの
動きや動作と言われるものでこれらは自立へ繋がっていくものなので、子どもから自然と要求が出てきます。そして3~6歳ではこれらがより洗練され調整されたものになってきます。感覚では
「感覚印象の整理、分類、秩序化」でそれまで溜め込んでいたことを感覚的印象を整理し、秩序化し、
整理していく時期となります。運動では「洗練、調整された運動」としてこれまでに獲得した動き、動作をよりスムーズにしたり発展させていく時期となります。
感じることは考えるよりも先に子どもの脳へ深く刻まれ、生きるうえでの価値観をつくりだします。
運動器官の発達では、自分の意思で動かす筋肉を調整する時期で
「からだ全体を動かす大きな運動」 「平衡感覚を養うバランスを保つ動き」
「手と腕をしっかり使ったり、道具を使う動き」 「指先を洗練させる動き」など子どもたちは
さまざまな動きをしたがり、やりぬき『自分の意思で動かせるからだ』をつくります。
感覚器官と運動器官を使うことで知性を養い、自分で学び取る力を身につけていきます。その力は
その後の人生を創造的なものにすると考えられています。
敏感期には上記の他にも
「言語の敏感期」胎児期7ヶ月~3歳前後・「小さいものへの敏感期」2~3歳
「文字に対する敏感期」3歳半~5歳半・「数の敏感期」3~6歳 などがあります。
子どもは「自分自身の行動の主人公」になれるように『自分でやる!』と挑戦する時期があります。
これは「自分が思うとおりに動きたい」と自由意志が発揮されはじめたしるしです。自分の意思が
はっきりしてくると自分で意識して手指やからだを動かすようになります。そのとき大人は
「子どもに代わってするのではなく、どうすれば子どもができるかをわかりやすく教えてあげることが大切です」子どもが成長していく中で感受性を大切に個々の時期にあったかかわりをすることで子どもたちの可能性を広げていけるお手伝いができればと思います。
(北嶋)