2021年12月 「子どもの育ちに関わる“傾聴”」

     皆さん「聞く」と「聴く」の違いをご存じですか?辞書で調べるとこのような意味があります。

    〇聞く…自然に、無意識に音が耳に入ってくること。

        例:カフェで周囲の人の声やBGMが自然と耳に入ってくる

    〇聴く…意味を認識しようとして、注意深く耳を傾ける。

        例:相手の話を理解しようと耳を傾ける

    同じ「きく」でも、きく人の意識に違いがあることがわかります。

    聴く=傾聴ともいいます。

    〇傾聴とは…話し手のありのままを受け入れ、耳も心も傾けて、相手の話を聴くこと

    例えば子どもが何か言ってきた時、どのようにきいていますか?

    『晩御飯は何にしよう』『この後は〇○をして…』など頭の中で別のことを考えていませんか?

    または『もっとこうしたら良いのに』と自分のものさしや先入観でジャッジしていませんか?

    これでは、話をしている子どもは「聞いてもらっていない」という印象を持ってしまいます。

    では、“耳も心も傾ける”とはどのようにすれば良いのでしょうか?

    傾聴のPOINT

    ①相手に体、心を向ける…手を止め、目を合わせ、聴く姿勢を作りましょう

    ②興味を持って話をきく…興味を持つことで、自然と質問も出てきます

    ③リアクションをする…「あなたの話を聴いています」と相手に伝わることが重要です

    ④言葉の裏側を想像する…話している言葉の裏にどんな気持ちがあるのか想像しましょう

    ⑤最後まで話をきく…途中で遮らず、最後まで話をききましょう

     
    特に【①相手に体、心を向ける】ということは、一度手を止めて姿勢を作らなければなりません。

    その体勢で目を合わせて話を聴いてもらうことと、何か作業をしながら話を聞いてもらうことでは、想像するだけでも、聴いてもらう喜びに大きな違いを感じますよね。

    子どもは傾聴されることで心が満たされ、どんどん話をして自分を出してくれます。

    楽しく会話をすることによって、たくさんの言葉を学び、自発的にコミュニケーションを取るようにもなります。

    また、表情や頷き、声のトーン、話すスピード、声の大きさなどの非言語メッセージから、相手の感情を読み取る能力も高くなります。

    こうやって、たくさん聴いてもらった子どもは、自らも他者に対して傾聴することが出来るようになります。

    “傾聴”は子どもの人格形成にも大きく影響するので、ぜひ気に掛けてみて下さいね。  (清水)

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