Column

子育ての便利の裏側

猛暑の夏は過ぎ去り、秋風が少しずつ感じられる季節となりました。

子ども達は、運動会に向けての練習や散歩に出かけて秋探しをしている毎日です。

 

前回、自己認識でお伝えしましたが、私には10歳の息子がいます。そして、姉が2人いるので、20代~30代の甥や姪がいます。

そんな中、子育ての環境が時代と共に変化しているなと感じることがありました。

例えば、子どもをおんぶする時…姉の子育ての時は、妊婦中に使っていた腹帯でおんぶしていたものが私の時代では、簡単におんぶできるおんぶ紐になりました。そして、今ではお母さんの身体への負担が少なく長時間赤ちゃんを抱っこできる抱っこ紐が主流になってきています。

子育てが便利になることはとてもいいことですが、物事には裏と表があること。つまり、「便利さの裏には失われていくものもあるかもしれない」ということに意識を向けていきたいものです。

最近、町ですれ違う親子をみて思うことは、抱っこ紐のしっかりとした安定感からか子どもを包み込む・手を添えるという姿が減ってきたような気がするのです。

まだまだ、スキンシップが大切な時期。必ずしも手を添えて抱っこしなければならないというわけではありませんが、「触れる」機会が減ったことを意識し、日常の中で取り入れて欲しいと思います。   

他にも便利になったものがあります。それは、ベビーカーです。

押しやすく耐久性に優れたベビーカーも増えました。20㎏までOK!!4・5歳でも使えるベビーカーをキャッチフレーズに売り出されているものもあります。

だからと言って、いつまでもベビーカーに乗せていいものなのか?

歩き始めた子どもは、歩きたいと思う気持ちが強く、大人がビックリするほど歩くこともあります。

そんな時期は、あっという間に過ぎ去り気持ちを伝えられる時期になると「だっこ」「きつい」と言って、ベビーカーに乗りたがる子もいます。歩きたいときに歩ける環境をどれだけ作れるか?

それが大切なような気がしています。

 我が息子は、隣の保育園に通っていたので車で登園していました。子育ての便利の裏側をあまり考えず、歩く機会を減らしてしまっていたのです。そして、息子自身も「車がいい」というようになってきました。そして、迎えた小学校生活。ビックリするような坂道を重いランドセルを背負って学校に行かなければいけません。日頃から、自分の荷物を持たせることは意識していたのですが、歩く力が育ってない息子は、毎日のように坂を転げ落ち、膝を怪我しながら帰ってきていました。ひどい時には、両手が荷物でふさがり顔からケガすることもあったのです。

 お仕事をしている皆さんにとって、子育ての中で便利なものを使うことは悪いことではありません。

ただ、その便利さの裏にある失うものもある。そこに目を向け、補っていくことも意識してほしいのです。また、時にはあえて不便さを選ぶことを意識し、そこで育つことにも目を向けて欲しいと思います。

未来を担う子ども達が成人する頃には、AIと共存する生活が待っているとも言われています。

不便さから工夫を学び、自立できる大人になってほしいと願っています。

                                          (橋本)