Column

子どもが両親を選んで生まれてきたとしたら

今年度に入り、いろいろ悩むこともあり、
「本でも読もうかな」という答えにたどり着きました。
そう思った矢先に研修などでも本を読むという課題がでたので、
「これは都合がいい」ということで、自分が選んだ本と
横浜の主任こと中野祐貴先生が課題に出してくれる本を交互に読むことになりました。
その中でも心に響いたものを少し紹介したいと思います。
ひすいこたろうさんの『あした死ぬかもよ?』という本です。
本の題名からは想像もしないほどに、自分の心の中を丸裸にされた本でした!!

あなたが両親を選んでうまれてきたのだとしたら、その理由はなんだろう?

本の中で27の質問があるのですが、
今回はその中のこの質問から感じたことを書きたいと思います。
はじめにこの文章を見たとき、
自分が生きてきた中で知っている言葉は
「生まれてくるときに両親は選べない」という言葉だったので、
これとはまさに正反対の考え方で驚きました。
そして、「なんで今の両親なんだろう?」と考えながら読み進めていくと…
両親と過ごせる時間という項目がでてきました。
親元を離れていて、
親が60歳から80歳まで生きるとした20年間で一緒に過ごせる時間です。
私も親元を離れていて、歳も計算の年齢と近かったので、
本の中でのおおよその計算にあてはまりましたが、
その時間は、約2カ月
これはおおよその計算なので、誰にでもあてはまるものではないですが、
その短さに焦りを感じるほどでした。

「いつでもできる」と思っていたこと、
「いつでも会える」と思っていたことが、
現実的に時間を示されると、こんなにも短いのかと感じました。

そして、自分の気持ちを伝えることができるのも、
「いつか」ではなく「いま」しかないということも感じました。

お母さんは、生まれたばかりのあなたにおっぱいをあげて、オムツを替えてくれた。
赤ちゃんのオムツ替えって、想像するよりはるかに大変なこと。
2歳すぎまで、毎日7回替えると計算すると、
オムツ替えだけで、6000回もやってくれているんです。
夜泣きしたら眠たい目をこすり、優しくあやす。
熱をだしたらつきっきりで看病をする。
きっと寝られない日だってあったはず。
それだけの愛情を注がれているんです。

感謝してもしきれません。
恥ずかしくて、言えないこともたくさんありますが。
そして、こうも考えました。
子どもから親に伝えることができるのも「いま」しかないけど、
親から子どもに伝えられるのも「いま」しかないと。
仕事や育児にと、毎日忙しいですよね。
でも、子どものこの時期も「いま」しかないんです。
たくさんのことに挑戦して、
いろんなことができるようになっていく子どもを毎日見ていて、
こんなに楽しいことはないなと保育士をしていて思います。
いましかない子ども達の成長をすこしでも多く見て、
たくさん褒めてあげてください。
自分たち(両親)を選んで生まれてきてくれた子どもたちのためにも♪
(白柳)

【参考文献】
『あした死ぬかもよ?』 ひすいこたろう