Column

プレ・ゴールデンエイジ

「ゴールデンエイジ」という言葉を聞いたことがありますか?

ゴールデンエイジとは身体の動きを
大幅に成長させる為の運動神経を研く事のできる時期で9歳から12歳頃を言います。
この時期に脳と身体を結ぶ神経へ、飛ぶ・滑る・バランスをとるなど 様々な動きで刺激を与えることで、
より「身体が動く」状態にしていくことが、のちの運動に大きく関与します。

体力要素とは「持久力」「敏捷性」や「バランス」「巧緻性」などの他、
心肺機能、筋力といったあらゆる身体の機能のことを指しています。
この理論を説明する際によく使われるのが「スキャモンの発育曲線」です。


スキャモンによると、神経系の発達は生まれてから5歳頃までに80%ほど形成され、
12歳をピークにほぼ100%形成されます。
神経系とはバランス能力や巧緻性といった、身体を思い通りに動かす能力に必要な要素です。
ここまでに習得した動作は、一度自転車に乗れるとその後乗れなくなることがないのと同じで、
将来に渡って消えることはほとんどありません。
よって、12歳までに様々な動きを経験させておくことが重要だと考えられます。

3歳から8歳の期間を「プレ・ゴールデンエイジ」といい、
ゴールデンエイジ期に入る前の重要な時期とされています。
この期間はスポーツをするというよりも、色々な遊びを楽しみながら行うことが重要です。
遊びの中で様々な動きを学び、神経回路に刺激を送ること。
遊びの中で様々な動きを学ぶことにより、基本動作が身に付き、運動神経が発達していきます。
また、日々の生活の中で、エレベーターやエスカレーターでなく階段を登ったり、
抱っこひもやベビーカーでなく歩く機会を増やす、
自分の荷物は自分で持つ、など動く機会を増やすことで自然と筋力や体力がついてきます。

現代日本の子どもたちは動かなくても遊べる環境になり、
「肉体」「精神」「社会性」といった世界保健機構(WHO)の定める
「健康」の定義のすべてにおいて、充足されずに成長しています。
プレ・ゴールデンエイジと呼ばれる乳幼児期に
運動やコミュニケーション能力、精神力を充足させていくことは、
子どもたちの「健康」のためにも重要です。

人間の基礎を育む乳幼児期に、
たくさんの経験を通して子どもたちの可能性を広げていくことも、大人の重要な役目です。