Column

『海外交流を通して子ども達に願うこと』

私が年長担任だった時、子ども達にこんなことを質問したことがあります。
「みんなの夢は何?」
すると、子ども達から…お花屋さんや、警察官、中にはお母さんみたいなお母さんになりたいという、
ほっこりする声も聞こえてきました。
その中で私は、この子達と同じ年齢の世界の子どもは、どんな夢を持っているのだろう・・・・
そんな疑問が生まれ、調べることにしました。
イスラム共和国の女の子
「自分の国や故郷や家族から誇りに思われるような人間になりたい」
ケニアの女の子
「世の中の人々の、痛みや苦しみを取り除いてあげられる人になりたい」
ヨルダン・ハシミテ王国の男の子
「医者になって、困っている人を助けてあげたい」
一番印象的だったのが「大人になるまで生きること」です。
私達は日本に生まれたことで、食料や命の危険を感じながら生活することがありません。
でも、世界という大きな枠からみると、私達の“当たり前の生活”がどんなに幸せなことなのかを考えさせられました。
そこで、その状況を子ども達にも伝えました。
世界には、自分ではどうすることも出来ない苦しい状況にある子ども達もいます。
そんな子ども達にも夢を叶える(チャンスがある)世界になって欲しいです。
「そのためには、自分には何が出来るかな?」と考えたり、行動する心を、子ども達にも持ってほしいなと思います。
また、支援する側⇒される側、の一方向的な関係ではなく、
「障害者や貧困地域の人」というレッテルも貼らず、ひとりの人
として興味を持つ、という対等な関係を築く力も育んでほしい、
と思います。
これから先、いろいろな立場や世界に生きる人と、出会う機会を
持つことで、何かを感じるきっかけになるかもしれませんね。
千駄ヶ谷では、今年の夏に年長対象でナイジェリアの園とオンラインで交流しました。
事前に自分達のことを英語で話す練習をしていた子ども達。
当日は緊張していましたが、堂々と言え、画面越しに相手が笑ったり、拍手をする姿に、照れながらも嬉しそうでした。
自己紹介後は、ナイジェリアのダンスや歌、衣装も見せてもらい、あっという間に時間が過ぎていきました。
今回は時間の関係で自己紹介だけで終わりましたが、今後も他の国との交流を検討しています。
 (宝田)