Column

世の中のお父さん、お母さんへ

少し私自身について少しお話したいと思います。

子どもが生まれてから数か月、笑うことができない時期がありました。

子どもが生まれる前は正直“保育士だから大丈夫”“今までたくさんの子ども見てきたから、知識がある”と思っていました。でも、実際に子どもが生まれると・・・現実は全然違うものでした。

 

【仕事(保育士)】               【育児】

・0歳児の子ども見たことある      ・新生児初めて、これで大丈夫?気を張る日々

・仕事とプライベートの時間がある    ・24時間常に育児、メリハリがない

・トラブルが起きても経験で対応     ・我が子保育士での経験通用しない

・毎日いろんな子がいて楽しい      ・1日が長く感じる日々

 

最初は頑張って“たくさん声掛けをしてあげよう”“今しかないこの時期を大切に関わろう”と思っていましたが、だんだんその頑張りが苦しくなりました。気がつけば、無表情で関わるようになり、泣いても淡々とミルクをあげ、おむつを替えロボットのように感情もなくこなす日々でした。

周りの家族が毎日楽しそうに我が子に声掛けをしている姿を見ても、一緒に笑うことも出来ず、“何がそんなに楽しいんだろう”“何がかわいいのだろう”と冷めた表情で見ている状態でした。

今思えば、あの時の自分は本当に別人のようでした。

それから、保育園で見る子どもたちぐらいの月齢になった時、急に感情が出てきました。きっと自分が

知っている子どもの姿になり、安心(このぐらいの月齢にだったら、こんなことをすればいい!) したのだろうと思います。

 自分がそんな経験をし、感じたことは・・・・世の中のお父さん、お母さんは

 

“子どもを育てている”それだけでも本当にすごいことなんだ

 

と、もっと自分自身を褒めてほしいなと思います。私は保育士の知識と経験でどうにか育児をしていますが、これが知識もない、育児の経験もなかったらどれだけ不安だろうと本当に思います。

世の中のお父さん、お母さんは初めての育児に、毎日試行錯誤をしながらそれでも我が子と向き合い日々過ごしていると思います。我が子だから当然でしょと思う方もいるかもしれませんが、それだけでも、

本当にすごいことだと思います。私からすれば、そんな皆さんを本当に尊敬します。

 子どもが生まれると悩みはつきません。だからこそ、保育園がそんな保護者の方がホッと休まる場所、少しだけ元気をもらえる場所になってほしいなと思います。

お迎えの時、お子さんの今日の姿を聞きクスッと笑えて元気になれた。

面談などを通して心の中のモヤモヤが少し晴れた。保育園は子どもだけの場所ではありません。保護者の方と一緒に子どもを育てていく場でもあります。だからこそ、保護者の方が悩んでいたら共有し、一緒に考えていきたいと思っています。

 育士としてアドバイスできることもたくさんあると思います。話を聞いてもらうそれだけでも

気持ちが楽になるかもしれません。困ったら是非園を活用してみてください。       (宝田)