Column

~美点凝視の大切さ~

コロナウィルスがなかなか収まらない世の中…。テレビを見ていても感染者の数が増えていくことに不安

を感じる毎日で、気分も沈んでしまうことが多いかと思います。そんな時にみなさんはどうやって気分転換を

していますか?私は何事もポジティブに考えるようにして過ごしています。

そのような考え方になったのは、この法人に就職してからです。

法人内での研修でたくさんのことを学んできましたが、中でも『美点凝視』の大切さが、考え方を変える

きっかけになりました。

 

美点凝視(びてんぎょうし)とは相手の優れた部分を取り出し、相手に魅力として伝え、勇気付けるというものです。仕事をしていると課題点を見つけることが多いので、良い部分を見つけて相手に伝えることは慣れていないとなかなか容易なものではありませんでした。

美点凝視をするようになると、ポジティブな見方が出来、明るいコミュニケーションが取れるのも大きなメリットです。相手の長所をたくさん見つけられるので、多少短所があっても受け入れられるようになります。

特に相手が自覚していない長所を見つけ、伝えると「自分のことをよく見てくれているんだな」と信頼感も

持ってもらえるかと思います。

 

私が初めて美点凝視の良さを実感したのは『ありがとうカード』の存在でした。

『ありがとうカード』とはその名の通り、相手に感謝の気持ちをカードにして渡すというものです。

会議や研修の際にアイスブレイクとしても使われます。

入職して間もない頃、ようやく仕事内容に慣れてきた際に先輩からもらったカードの内容には

「まだ仕事に慣れない中、いつも臨機応変に動いてくれてありがとう。先生の笑顔に私も元気をもらっています。」と書いてありました。これは私がもらった初めての『ありがとうカード』でしたが、何年経ってもこの内容は忘れることはありません。

月日が経ちカードの数も増えてきましたが、落ち込んだ時にカードを見返すと元気になり、前向きな気持ちになります。カード一枚でこんなに人の気持ちを変えられることが出来る、ということがわかりました。

 

今年度、千駄ヶ谷に異動してすぐに休園になってしまいました。休園中は、毎朝職員のZOOMミーティングを行うことになったので、そこで一人ずつの良い所を発表しよう、と提案しました。一人ひとり相手の良い部分が違っていたので、自分の知らない一面も知ることが出来、毎回の発表が楽しみでした。

発表後に「こんなにたくさんの人に褒められることは、なかなかないので嬉しかったです!」と言う職員の

感想も聞くことが出来ました。

 

 美点凝視は子ども達と関わる時にも大切です。子どもの良い部分を伸ばすためにも日頃の保育の際に良いところを声に出すことを意識しています。

ある日の帰りの会で歌をうたった際の一場面です。

歌詞も覚えてきて歌が大好きな子ども達。その中で口を大きく開けて歌っている子がいました。

「今ね、先生みたいに口を大きく開けて歌っている子がいたの!だから大きな声が聞こえてきたのかもしれないね!」この一言を言った後に再度同じ歌をうたってみると、保育士の真似をして大きな口を開けながら

歌っている子が何人も増えました。

 

子ども達は褒められることが大好きです。園では褒められることで自信がつき、いろいろなことに挑戦する姿も見られます。

ご家庭でもお子さんのちょっとした良いところを見つけた際には、是非声に出して伝えてあげてみて下さい。きっと親子間での新しい発見につながると思います。

今後も子ども達や一緒に働いている職員の美点凝視を引き続き行い、千駄ヶ谷りとるぱんぷきんずが

更に良い保育園になれるように努めていきたいです。

 

                                            (内藤)