Column

賛否両論

私はスポーツが好きなので、スポーツ関連のニュースから今の自分の立場やなすべきことについて考えることが多いです。最近では、テニスの全米オープンを楽しみにしていました。時差の関係でなかなかLIVEでは観られませんが錦織選手やナダル選手を応援していました。女子は普段あまり観ないのですが、今回は大坂なおみ選手が決勝進出とあって早起きして決勝戦を観ました。それにしてもセリーナ・ウイリアムズ選手の存在感は凄いですね。出産を経てまた一線に戻ってきたのは素晴らしいと思います。画面を通してでもその姿に圧倒されました。ワクワクして観始めたのですが・・・。

 

途中審判の判定に対して猛抗議していたのは報道でなされている通りです。好ゲームを期待していた私としてはとても残念でした。実際に試合を観ていての率直な感想は、やはり度が過ぎていたと私は思います。思うように主導権が握れない苛立ちがそうさせたのだとは思いますが、他のスポーツだったらとっくに退場になっていたのではないでしょうか。

清香会で大切にしている美点凝視(いいところを見ていく)という考え方でみると、並々ならぬ勝負に対しての情熱は素晴らしい、ということなのでしょう。ですが、果たしてその思いのアウトプットは適切だったかというと、そうではなかったと思います。今年度の法人のテーマは自立と自律なのですが、私達ももっているものをいかにアウトプットするか、を常々問われています。今回のセリーナ選手の姿は反面教師として、考える機会を与えてくれました。気持ちを高めつつも、やはり冷静でいなくては伝わるものも伝わらないなと思いました。

また、『誰のための試合か』という思いを抱えながら複雑な思いで見ていました。プロである以上観客がいないと成り立たないわけで、自分のため以上に観客のために、ベストなプレーをするというのがプロとしての真骨頂なのではないかと思います。それは私達保育士も同じで、子ども達のために始めたことが、いつしか保育者の自己満足になってしまったり、保育者にとって都合のいい保育にすり替わってしまったりします。そうならないために心して『子ども達のために』ということを常に忘れないよう意識しています。

セリーナ選手の言動には賛否両論ありますし、性差別問題などいろいろな思いを抱えてのことだったと思いますが、それにしても淡々と全力を尽くす大坂選手は立派でした。後日アイデンティティは?という質問に、「私は私」と答えていた大坂選手、素敵でした。私達も子ども達のその子らしさを大切に考えていきます。                                  (飯塚)