Column

【子どもに選択してもらうこと】

年明けからコロナウイルス感染の影響が少しずつ出始めて、半年が過ぎようとしています。

この半年間で生活はあっという間に変化していきましたね。

私自身も、自宅での過ごし方に変化が出てきました。

少しでも家で過ごす時間を充実させたい!という思いから、料理をすることが増えたり、あまり見る

機会のなかった映画を見たり…今までは忙しさを理由に手をつけられなかったものを「やってみよう

かな」と思うことも増えてきました。

新たに生活に取り入れたものの一つに「読書」があります。

さまざまな本を読む中で、幡野広志さんの『なんで僕に聞くんだろう』という一冊に出会いました。

写真家の幡野広志さんは、2017年に多発性骨髄腫という血液のガンを発症し、3年の余命宣告を

されました。

闘病の様子をブログに綴っていたところ大きな反響を呼び、そこには読者からの応援の声だけでは

なく、人生相談も寄せられたそうです。

日頃はSNSで多くの人の相談に答えていますが、文字数や深刻な内容から答えることの難しかった

ものが、幡野さんの撮影した写真とともに載っています。

さまざまな相談に答えている中で印象的な回答がありました。

内容は、「婚約者のご両親に結婚を反対されている」という女性からのものでした。

幡野さん自身も、自分が結婚を反対されたという体験や、「自分の意志で人生の選択をすることが出来たら、たとえ失敗をしてしまったとしてもその経験を人生に生かすことができる」ということを答えています。

また、このようなことも書かれていました。

『子どもが選ぶべきことを親が選んでしまうと、子どもが大人に成長した時に自分で選ぶことも自分で考える力も培われず、失敗を恐れて行動しない、好きなことや自分がやりたこともわからなくなってしまう大人になります。』(P627)

相談内容が結婚という話題だったので“親”という言葉が使われていますが、保育に携わる私達にも

言えることだと感じました。

大人が、子どもにとって必要なものや体験を選んでしまうと、「自分のやりたいものではない」場合、やる気がなくなってしまいます。

意欲を持って試行錯誤しながら取り組む機会を、奪っていることになるかもしれません。

しかし、自分で「これがやりたい!」と選んだ先で感じる「出来た!」「面白い!」という経験は、

次も挑戦しようという行動に繋がります。

自分の選択に責任を持つことにもなり、子どもにとっては得られるものが、とても大きいのです。

5月のコラムでも載せましたが、日々保育の中でも「どっちがいい?」と子ども達が

選ぶ場面を多く取り入れています。

また、今年度から主活動を自分で選ぶ“選択制保育”も始まりました。

ぱんぷきんずで経験する選択によって「楽しい」「出来た!」という喜びも、思い通りに

いかない悔しさも、その全てに私達大人が寄り添いながら見守っていきます。(真琴)