Column

Amazonがくれたもの

土曜日になると「ピンポーンピンポーン…」続々と自宅に運ばれてくるAmazonの箱。大きいものから小さいものまでサイズはいろいろ。開けてみるとどんどん出てくるキャンプ用品。「なにこれ」と横目で見る私の隣でコーヒー片手にそれらを眺めながら満足そうな表情を浮かべてる大の大人1名…「再来週キャンプ行ってみない?!」こうして私たち夫婦のキャンプが始まりました。キャンプ初心者(普段は友達数人とワイワイ。2人で行くなんて初です!)なので、どんどん荷物は増えていきました。「もしも」火がつかなかったら?キャンプサイトが埋まってたら?と万が一を想定しながらの準備。実家のリビングにまでテントを持っていき、その中で一泊して片付ける練習まで!

こうして準備を整えいざ出発!現地に近づくにつれ、澄んだ空気を肌で感じ徐々に高まる気分。受付の看板を目前に嬉しさから小走りしちゃうほどでした。次の瞬間…本日の受付は終了しましたの文字。抱えた荷物が倍くらいの重さに感じました。しかし、あらゆる「もしも」を想定した私達。キャンプサイトが埋まっていたら…?→近くのキャンプサイトにGO!ということで即電話。急いで向かって無事に受付を済ませベストポジションにテントを張ることに成功!河原を目の前に、心地いい風を感じながらキンキンに冷えたビールをいただくのはまさに最高のひとときでした。それからは川で遊んだり、お昼寝をしたり、食事の準備をしたり…あっという間に陽が落ち、まっくらになりました。聞こえてくるのは薪が燃える音、川の流れる音、周りのファミリーたちの笑い声…そして見えるのは真っ暗な空に輝くたくさんの星。こんなに星ってあったけ?というほど普段は見えない小さな星がハッキリと見えました。高いビルや施設に囲まれ、光に溢れた都会では決して聞こえない、見えないものが、ここにはありました。この時間になると想像以上の冷え込みで、火に当たってないとガクガクしてしまうほど。夜は冷える、と想定はしていましたが、8月にこんなに冷え込む?!と想像をはるかに超えて来ました。前日に漬け込んだリブを頬張り、魚介とトマトのモッツァレラチーズ添えのアヒージョも完食。(←ネットで調べて真似てみました。絶品です)しかも満天の星空のもとでの食事…私達にってこれ以上ない最高のスパイスです!

SNSや電子機器、たくさんの音や照明が日々の私たちに便利さや安心をくれます。その一方で見失ってるものがあるはずです。その見失っているものをキャンプを通して感じられた気がします。先を見据える想像力。〇〇がないとできないではなく、これがなかった場合はどうする?と考える力、何かと組み合わせて代用できないかな?と新たに生み出す力。それらはすべて生きる力だと思います。より便利な環境へと発展していく社会に感謝しつつ、あえてその便利さから離れてみると普段感じられない感動や心地よさ、最高なひとときを味わうことができるのかもしれません。

2週間前の土曜日は続々と届く荷物の量に愕然としましたが…今は「なんて最高なんだ!Amazonありがとう!!」と言いたいです。(便利なネット社会の恩恵を受けられたからこそ味わえた楽しさでした。欲しいものがすぐ届くなんて…本当に感謝です)

帰り道、次はいつキャンプ行こうか?と今から楽しみにしている自分がいました。
(尾池)