Column

物にも心が宿っている!?

先日、年少の子が靴を脱ぐ時、ポーンと蹴り上げて脱いでいるのを見ました。
しかも片足ずつ両方とも。
私は後からその子を呼んで「何でそうやって脱いだの?」と聞きました。
「面白いかな、と思って」と答えが返ってきました。
「いつも、そうやって脱いでいるの?」
「違う」
「そうやって蹴って脱ぐのって、どう思う?」
「ヤダと思う」
「何が良くなかったと思う?」
「お友達にぶつかっちゃうから」
「さっきは誰もいなかったけど、確かに人がいたらぶつかっていたかもしれないね。
でも、それだけじゃなくて。
この靴は『いやだな~。せっかく保育園まで連れてきてあげたのに、ポーンと投げら
れて、悲しいな…』って思ってるんじゃないかな。
靴には口がないから喋らないけど、きっと『もっと大事にして欲しいな』と思ってる
と思う。
靴だけじゃなくて、洋服も食事に使う物も、お仕事の道具だって何だってそうだと
思うよ。
物も大切に丁寧に扱ってあげると嬉しいと思うけど、どう?」という話をしました。
その子も涙ぐんで聞いていたので『きっと通じたんだろうな』と思います。
人も物も大事にするって、いいですよね?
清香会ではモンテッソーリ教育の考え方をベースに、【本物志向】を大切にし、整った
環境で活動が出来るよう、さまざまな工夫をしています。
前回も書きましたが、自分で選んだ“おしごと”を、思う存分やって、終わったら
【次の人のために整えて、同じ場所に返す】ことを伝えています。
モンテッソーリ教育の究極の願い(到達)は【平和】です。
身近なところでの平和、としたら、私達大人が「人も物も大切にしよう!」と、言葉
とともに実践する(そういう姿を見せる)ことで、子どもにも伝わるんじゃないか、
と思います。
また、言葉でも…優しい言葉、誠実な言葉、相手を想う言葉など使うことで、平和に
繋がるんじゃないでしょうか。
(日本には特に【言霊=ことだま】があると言われていますしね)
本当に【物にも心が宿っている】かどうか、わかりませんが、大切にした分きっと
自分に返ってくると思います。
子どもと共に、そんな優しい振る舞いをしていきたいですね。 (加賀谷)