Column

ちょっとのガマン

 今年は猛暑と言われていますが、さすがに風や雲の様子、水の温度に違いが出てしたね。秋の匂いに変わってきています。

 先日こんな姿を見ました。
降園時、玄関で年少の男の子が涙ぐんでいます。
保護者によると「やりたかった事を友達の順番を待っていたら、お迎えになり出来なかった」とのことでした。
 園では子ども達に「お迎えが来たら片付けて帰りましょう。」と伝えています。
例外はあるとしても、基本的には「途中でも、片付けて帰ろうね。」と促しています。
つまり『我慢する』の練習をしているわけです。
小さいうちからこのようなちょっとずつの我慢の積み重ねをすることによって、自分の気持ちも強くなっていきます。
そして『また今度やろう!』という次への期待に繋げられたり、いい意味で諦めたり…
自分の気持ちを優先するだけでなく、気持ちの切替えが出来るようになります。
これは大きくなって社会に出た時、自己中心的ではなく人と上手くコミュニケーションを取ったり、折り合いを付けて歩んで行かれるようになる、ということです。

 我が子が「やりたいって言ってるんだから…」と尊重したくなる気持ちも、わかります。
ただ、どこかで「今日はおしまい。また今度ね。」と決めて、感情や欲望をコントロール出来るように、つまり『自制心』を育てるのも大人の役割ですね。
いい意味での我慢の経験は、その子を本当に『自立・自律』に導きます。
自分自身をコントロール出来るのです。
これは本当に大事なこと!

 さて、さっきの子は、やりたかったけど我慢して帰る決心をして…本当に偉かった。
そしてそれを促せた保護者も素晴らしい。
「1回やってきていいよ」と言わなかったからです。
大人は待てるので「いいよ」と言うことは簡単です。
でもここでは決まりを守る、という姿を子どもにも見せたのです。
…こんなちょっとした出来事って、しょっちゅうあると思います。
ぜひ、このことを思い出して実践してみて下さい。
私達大人が、子ども達の『ちょっとずつのガマン』を応援していきましょうね!
                                   (加賀谷)