Column

モンテッソーリ大会

8月初旬の3日間、
日本モンテッソーリ協会(学会)第50回全国大会が東京で開かれたため、参加してきました。
3日間で40コマの講演や研究発表があったり、50周年の祝賀会があったり、本当に盛りだくさんでした。
私にとってのメインは、
「深草こどもの家」(幼稚園)、「京都モンテッソーリ教師養成コース」を 主宰されている
赤羽惠子先生の講演を聞き、お会いすることでした。
30年程前に、この京都コースで学んだことが私の保育の原点で、本当に良い経験をさせて頂きました!
85歳になる赤羽先生は、50数年前からモンテッソーリ教育に携わってきた経過や、
詰まった想いを話されていました。その中で…
『一人ひとりが自分らしく生きること=平和教育』
という言葉が、改めて心に残りました。

モンテッソーリ教育は…
・自分自身の力をしっかり見極め、自分で試し、実践し、
 自分で自分の評価をしながら「自己教育」していく。
・自由と規律はコインの裏表と同じようなもので、子どもであっても自由奔放ではなく、
 責任を持つことが必要。真の自由人になるための教育である。
・一人ひとり違って当たり前だし、大人はその一人ひとりに合わせて伝えることが大切。
・人は人から学ぶ。いろいろな子(人)と付き合うことで、自我を通すだけでなく、
 誰とでも話したり折り合いをつけていく。
など、今まで何度も聞いてきた内容ですが、改めてベースの大切さを感じました。
子どもが活動する時、自分で考えて、自分で選び、やりたいことを集中してとことん出来ると、
心の底から満足し、その満足感が自信にもつながり、
それが人や物にも優しく出来る…という良いサイクルになるわけです。
心の安定や穏やかな気持ち、が周りにもたらす良い影響が「平和につながる」ということですね。

もう一人、リン・ローレンス 国際モンテッソーリ協会 事務局長の講演の中で…
モンテッソーリは

「社会変革を達成すること。社会貢献のみが人間の役目。」

そして

「子どもは共同体の中で自分を構築する。幼少期の教育こそが平和の基礎である。」

と言っていることを紹介されました。
子ども時代にどれだけ愛され、自分の力を信じてもらい、認めてもらえたかで、
人のために力を惜しまない、平和で幸せな世界を築く大人になるんだろうな…ということを感じました。

最後に、今回の大会を目前にして、相良敦子先生が逝去されました。
相良先生は『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』『お母さんの「敏感期」』など多数の著書があり、
日本でモンテッソーリ教育を広めるため、長年ご尽力された方です。
心から、ご冥福をお祈り致します。

(加賀谷)