Column

子どもは誰でも自分の時刻表を持って生まれてきます

今までこの場でも何回か載せてきましたが、新入園の方にも知って頂きたいので…
「子どもは皆、自分の時刻表を持って生まれてくる」
というのがマリア・モンテッソーリの考えです。
生まれながらに【自己教育力】がある、ということです。
その時刻表(自己教育力)は、お母さんのお腹の中にいる時から始まっています。
胎児でも、生まれて外の世界に出た時に困らないように、生きていくための練習をしているのです。
例えば生れ出たら(今まで水の中にいたので)すぐ肺呼吸が出来るように、
羊水を吸ったり吐いたりしている、とか、
おっぱいを飲むために指をしゃぶって吸う(吸綴)練習をしている、など…
さて胎児の間によく練習をして、準備が整ったら、いざ外の世界へ!
今までの水の中とは違って、外に出たら声を出します。(呼吸の練習の成果が出ましたね)
それから、お腹の中では暗くて見えなかったので、目を(視力)発達させていきます。
生まれてしばらくは、ぼんやりとしか物が見えてないんですね。
おっぱいを飲んでいると、お母さんの顔が見える20~30㎝の距離ぐらいが一番見えているそうです。
さあ、生まれてからの様子はご存知の通り…
手をグーにして動かしながら眺めているのも、周りの物を何でも舐めてしまうのも、
全て「自分が一人でしっかりと生きていくため」、つまり【自立】していくための練習なのです。
子どもって、何回も何回も同じことを繰り返していますよね。
そうやって出来るようになるまで、出来ることを増やしているのです。
こうして「敏感期」(また今度、詳しく書きますね)を経て、益々いろいろなことを獲得して、
自立へ自立へ、と向かって生きていきます。
そこで私達大人がするべきことは…
その自立への力を、よ~く観察して「今この子に必要な手助けは何だろう?」と考え、
子どもが出来ないところ、知らない部分を「その都度、教えたり手伝ったりする」ことです。
モンテッソーリは「教えなさい、教えなさい、また教えなさい」と言っています。
「何回言えばいいの?」などと感情を入れず(笑)、
ただ子どもがわかるまで(そのことを獲得するまで)教えてあげます。
子どもが『本当に幸せな大人になっていかれるように』、
子どもの持てる力(自己教育力=時刻表)を信じて、
根気よく出来ないところだけ、手伝いましょうね。

子どもの自立に向けて、必要な環境(物的や人的の)は出来るだけ用意してあげたいものですが、
一番大切なのは、親や周りの人達の愛情・信頼・笑顔…ですよね!

(加賀谷)