~懇談会を終えて(敏感期・イヤイヤ期)~
10、11月は各クラスの懇談会にご参加いただき、ありがとうございました。
今年度は保育の様子を見ていただく機会が例年より少ないので、少しでも園で遊ぶ子ども達を見ていただけたらと動画等を作成いたしました。懇談会の中で話題にあがった内容について、以前コラムでご紹介したこともあるので、再度ですがご参考になればと思います。
モンテッソーリ教育では「子どもは出来ないのではなく、やり方を知らないだけ」とあります。日々の生活の中で教具のやり方を提示すると、興味をもった子は職員がやったように挑戦します。そのため職員は、子どもが何に興味を持っているのか、どのような成長段階にあるのか、をよく観察し、提示していくことを心がけています。
さて、0~3歳は『秩序の敏感期』であり、この時期だからこそ順番・場所・所有物・習慣などにとてもこだわります。3歳ぐらいまでは、自分の周りの物が、いつも同じでないと返って不安になったりします。ものごとを把握するために、場所や所有物、順序などが秩序だっていないと気になってしまうのです。
例えば、いつもと違うルートで保育園に行ったら嫌がって大泣きしたり、いつもと違うやり方だと、もう一度やり直したり… ただ、この秩序の敏感期は、時間が経てば徐々に落ち着いていき、やがて、例えば人形を大きい順に並べたり、同じものを集めたりと知性の働きに移行していきます。またこの時期は「自分でする!」という願望が表れる時期で、自立への第一歩になります。
3~6歳になると『感覚・運動の敏感期』となり、この頃に、より五感が洗練されていきます。0~3歳の時期に、見たもの・聞いた音・匂い・感触などの【感覚を溜め込み】、立つ・座る・運ぶなどの基本的な動き(運動)を通して、「自分でやる!」に繋がり、敏感期とも重なり、どんどん出来ることが増えていきます。
そして【溜め込んでいた感覚の印象】を分類したり、整理したり、秩序化していきます。『運動』では、よりスムーズで自分がやりたいことが出来るような、調整した動きに発展していきます。こうして敏感期を経て、心も身体も【自立=自律】へと向かって成長していきます。子どもの育ちはあっという間です。子どもからの発信(心の機微)をしっかり受け止め、認めながら育てていきましょう。
文献『言語の敏感期』胎児期7ヶ月~3歳前後・「小さいものへの敏感期」2~3歳
『文字に対する敏感期』3歳半~5歳半・『数の敏感期』3~6歳 など。
次回は【イヤイヤ期】について、お伝えします。 (北嶋)