子どもへの約束事って必要?
躾ってどうすればいいのか、いつからすればいいのかというのを懇談会などでよく質問を受けます。
0歳児だから約束事は伝えなくていいか?
大きくなって(言葉が理解出来るようになって)から伝えればいいのか?
そもそも、躾ってなんでしょうか。
厳しくすること? 叱ること? 強制すること? 考えればさまざまな疑問を持ちますね。
まず躾とは、「挨拶や感謝、他人への思いやりからマナーも守り、人も自分も心地よく過ごすため、
配慮すること」として、子ども達に伝えていきます。
漢字にあるように “身を美しくする”ことを大人が手本となり日常の振る舞いや態度、言動から知らせます。
さて、子ども達は大人の行動をよく見ていますよね。
例えば、いつもは走らない廊下を今日だけ走ってしまった・・・とします。
大人は“今日だけ”と思っても、子どもにはお父さん、お母さんがしたことを真似したい!やりたい!と
思うので「今日だけ違う」という意味を、年齢によっては持てません。
特に2歳以下は、まだまだ考えも未熟なので、善悪の判断は難しいことが多いです。
しかし、「いつから躾をしたらいいのか?」という問いには「赤ちゃんの時から言葉で伝えることは
大切」とお答えします。
理解している、していないは関係なく、言葉で教えるという基本的なことは必ずしておいた方が良い
ですね。
今は親が望む行動などが出来なくても、3歳を過ぎた頃に赤ちゃんの頃からの積み重ねが効いてきます。
挨拶や感謝、マナーはその人に染み付いた習慣であり、積み重ねです。
コラムでも度々、意識的な世界と無意識的な世界の比較をしますが、1,2歳児の乳児に「机に椅子を
しまえるかな?」と伝えると嫌な顔せずに入れることが出来ます。
これを繰り返しながら椅子を机に仕舞うことを、大人が出来るようになるまで何度も伝えています。
しかし、3歳を超えてくると“意識的に”椅子を仕舞うことをしなかったり、大人から何度も言われる
ことに腹を立てるようになる場合もあります。
無意識的な世界の時は、素直に子どもの心に届き、遊び感覚で習得できることが多くあります。
ところが3歳を超えてくると、駆け引きや伝え方に工夫が必要となり、何度も言うとストレスを感じる子どももいるようになります。
0歳児の時から「人として」身に着けてほしいコトは伝えておきたいですね。
実際、躾として子どもに伝える時には…
「〇〇くん(ちゃん)出来ていないよ!」と否定をするのではなく、
「〇〇くん(ちゃん)△△出来るかな?」や「~してみましょう」と肯定的に誘い掛けたりしています。
年齢によっては言葉だけではなかなか難しいので、大人が実際に手本を見せています。
この時は子どもが理解しやすいように、ゆっくりと動作だけを見せて、子ども自身が自分で出来た時に「出来たね」と認めています。
自分を律して行動ができるように日々、大人も立ち居振る舞いには気を付けていきたいものですね。
(北嶋)