Column

~子どもロコモ~

「子どもロコモ」という言葉を聞いたことがありますか?

ロコモは高齢者の症状と思われがちですが、最近では子どもにも広がっていることが指摘されています。
その背景には子どもの運動不足があり、車社会による歩く機会の減少、スマートフォンやテレビゲームの普及による姿勢の悪化・外遊びの減少などが影響していると考えられています。

「子どものロコモ」とは子どものロコモティブシンドロームの略で、「運動器機能不全および不調」だけでなく、子どもの運動器疾患・障害、ケガなどによって、日常生活、学校生活、スポーツ運動生活に支障をきたしている状態、または支障をきたすリスクの高まった状態を指します。「運動器」とは、骨や関節、筋肉や

神経など、体を動かすのに必要な器官のことをいいます。

子どものロコモにはこのような状態が見られます

 

・挨拶ができない         ・椅子にきちんと座れない

・片脚立ちができない       ・うつむいて歩いている

・くにゃくにゃして立っている   ・歩き方がロボット歩き、不自然

・腕がまっすぐあがらない     ・危険を避けることができない

・しゃがめない           転んだときによけきれずケガをする

・体育座りができない       ・受け身がとれないなど

 

※生活、園生活、スポーツや運動をするときに支障をきたすリスクが高い

子どもロコモを放っておくと

運動不足による子どものロコモがそのまま放置されると、体を支える体幹が弱くなり、些細なことでもケガをしやすくなります。
さらに、体幹が弱いと「起きているだけでだるい」、「動くと疲れるから家でごろごろしていたい」という状態に陥りやすくなり、集中力や精神力、行動力にも影響を及ぼします。
また、運動不足が続き肥満傾向のまま中高年の年齢に入ると、メタボリックシンドロームを引き起こし、糖尿病や脳卒中など、命の危険のある生活習慣病にかかるリスクが高くなります。

子どものロコモ対策では、骨を支えていく体幹を鍛え、丈夫な体を維持することが重要です。
そのポイントとなるのが、運動、食育[何をどう食べるか。食べる楽しみづくり]、休養・睡眠です。

これらの生活習慣は骨や筋肉の成長に関係しています。骨は10歳代が成長期で20~30歳代で骨量はピークを迎えます。そのため、若いうちから規則正しい生活習慣を身につけることが大切なのです。

 子ども達が健やかに成長をしていくために園でも心身の発達を促していきますが、ご家庭でも戸外で思い切り遊ぶ機会を設けて遊びの中でバランスをとることや受け身をとるなどの経験ができるようにかかわっていただければと思います。2月のコラムでも「正しい身体の使い方」を掲載しておりますので是非、参考にしてください。               (北嶋)