~先月の続き・・・絵本の選び方~
前月のコラムでも絵本についてお知らせいしたように子ども達は皆、絵本が大好きですね。
絵本の読み聞かせは、子どもの感性を豊かにし、想像力を育てるということ、そしてさまざまな
仮想体験や喜怒哀楽を知ることができると下記のように書きました。
1、 主人公に自分を重ねて、絵本の世界の中で成功体験や達成感を味わいます。
そのことにより、さまざまな世界があることを学び、これがだめならこうしてみようかな?と考えの転換ができるようになり、自己肯定感が育っていきます。
2、 聞く力が身につきます。きれいな日本語をたくさん聞いて成長する子は、自ずと語彙力と表現力も育ちます。
語彙力とは、どれだけ多くの言葉を知っているか?そして、その言葉をどれだけ適切に使えるか?ということです。
表現力というところでは、いろいろな言い方があるということを知っているので、コミュニケーションをとることが好きになると思います。
3、 読み聞かせた後、実践できること、体験できることは一緒におこなうと、子どもはより一層、絵本で学んだことが身につきます。
例えば、カレーを作る場面が出てきたとします。その後、親子で一緒にカレーを作ることが
出来たら、絵本で学んだことが活かされ自分のものとなります。
読み聞かせの時間は、親と子の「共有」の時間です。
絵本の中の出来事を「これは知らなかったね」などと共有したり、「ここが面白いね~」と感想を共有したり、言葉は話さなくても、読み聞かせの心地よさを共有したりしてください。
是非、この時間を大切にしていきましょう。
もう一つ・・・最近、昔話の終わりがハッピーエンドで終わるようになっていることや
「さるかにがっせん」というタイトルが、合戦は戦いだから「さるかにばなし」となっていること、
カニのお母さんが死んでしまうのはかわいそうだから命は取り留めたとなっていることなど、絵本が
昔と変わってきていることにどう思われますか?
これは、いろいろなご意見があると思います。あって良いと思いますが、私は、すべて、残酷なもの、かわいそうなところを無くして、書き換えてハッピーで終るということに徹底しなくてもいいのではないかと思っています。
グリム童話なども善悪を知ることで道徳心を学ぶことができます。痛い、辛い、悲しいなど実際の
生活で直面するととても困難に感じるかもしれません。絵本という媒体を通して疑似体験から知ることで、子ども心に『次は○○しよう』と考えることができます。嬉しい、楽しいという人の感情も絵本を通して『○○ちゃん(くん)と○○しよう』と考えます。初めは、物の名前を覚えたり色の感性を感じることから年齢によっては命の重さを友達と考えることもあります。
これらから得たことを実際に行動することで本当の感情を知っていくことになります。
園でもさまざまな機会を通して子ども達にたくさんの本を紹介し、いろいろなものの見方をしながら、人の意見の違いも受け入れ、しっかりと考えることができるように育っていってほしいと願います。
(北嶋)