Column

モンテッソーリ教育から見る、イヤイヤ期って?

8月8日~10日の3日間、日本モンテッソーリ教育学会の第50回記念大会に出席してきました。
今回のテーマは「子どもに寄り添う大人たち」というテーマで、
「バカの壁」で有名な養老孟司先生の講演から始まり、
50年の歴史を作って来られた先生方のスピーチ、
日本各地でモンテッソーリ教育の実践や研究をしている方々研究発表などがありました。

最近、将棋の藤井聡太四段の活躍のおかげで
「集中力を育てる教育」として注目を浴びているモンテッソーリ教育。
確かに、その子自身が持っている発達欲求や興味に応じて
活動を選ぶことができるモンテッソーリ教育ですから、集中力が育つのはもっともです。
しかし、素晴らしさは“子どもにとって良い”だけではありません。
モンテッソーリ教育の考え方の中には、大人が子どもに対してどう関わればよいのか、
どういう見方をすることが子どもにとって良いのかが明確に示されています。
ですから、“大人にとっても、子どもにとっても良い”というところが、
モンテッソーリ教育の一番の素晴らしさだと思います。

今回は私がモンテッソーリ教育を学び始めて子どものことを知っていく中で、
「もっと早く知りたかった!」と思ったことの一つを紹介します。

それは、多くの大人達を困らせる“イヤイヤ期”についてです。
みなさんは、イヤイヤ期の原因を考えたことがありますか?
ちょうど2歳くらいになると「魔の2歳児」などと呼ばれ、
2歳=厄介な時期として世の中に認識されてしまっています。
私はイヤイヤ期の原因を知り、
それまで関わってきた子どもたちに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
知っていたらあんなことしなかったのに・・・と。

原因その①「自分でやりたいのに・・・」
体や手を思い通りに動かせるようになってくると、やってみたい!できるようになりたい!
いろいろなことに挑戦してみたいという気持ちが強くなります。
そんな時に「時間がかかるから」「上手くできないから」と大人がやってしまうと、「自分で!」と抵抗するのです。

原因その②「いつも同じでないと不安なの!」
子どもには「秩序の敏感期」という時期があります。
いつも同じ道、いつも同じ場所が心地よい時期です。
それは、自分が生活している世界を把握するためにとても大事なことなのです。
何でこんなことで泣くの?と思う時、子どもは「なんか違う!」と感じて抵抗しているのです。

原因その③「どうしたらいいかわからないの!」
イヤイヤ期の時期は“意志”が育つ時期でもあります。
目的を持って行動するようになっていくのですが、それもまだ発達の途中。
「こうしたい!」と思っても、どう伝えたらいいのか、どうやればいいのかわからないから、
泣いたり頑固に動かないという姿で示したりするのです。

この3つが原因の全てではありませんが、
これを知っているだけでちょっとだけ余裕を持って子どもの「イヤイヤ」を見られるようになりました。
モンテッソーリ教育を知ることは、子どもを知ることになります。
興味のある方は、本の貸し出しなども行っていますので、ぜひ手にとってみてくださいね。

(新子)