Column

やり方を見せるって、大事

先日、高校野球をしている長男の当番の仕事をしに行きました。
その仕事は千羽鶴を作る作業でした。
私は保育士ですので、折り紙は得意ですので、その仕事は喜んで取り組んでいました。
チームのために保護者全員で心を込めて作り上げ、
夏の大会に向けて団結することが目的なので、皆さんに鶴を折ってもらうことになっています。
期限を決めて数枚ずつ配り、回収しました。
回収したものを見てみると、ただ折ってあるだけで、丁寧ではなく、
とても千羽鶴には使えないといくつかはじかなければならないものがありました。
折り直しです。
ある人が言いました。
「得意な人もいるけど、不得意な人もいるから・・・
 どこに気を付けて折るのかを伝えないとわからない」と。
そこで、誰でもわかるように、折り紙の折順をわかるように作成し、配ることにしました。
すると改善され、とてもきれいな鶴ができてきたのです。
鶴なんて誰でも折れるだろうと思ったのはただの思い込みでした。
大人でさえ、きちんと手順を伝えることが大事だということを改めて痛感しました。

私は、子どもも同じだと思います。
「こうやって」と1回伝えただけではわかりません。
1回伝えたからわかるだろうと思っても、理解にも個人差があります。
伝えられたことを理解することができる発達段階にいることも必要です。
だから子どもこそ、一つひとつ丁寧にやり方を見せ、何度も何度も繰り返し伝えることが必要だと思います。

モンテッソーリ教育の中には、「提示をする」という大人の役割があります。
提示とは、「やって見せる」ということです。
しかも、大人のスピードでは子どもには速すぎて理解できないので、
できるだけゆっくり動きを分けて見せるということも大切です。
服のたたみ方、歯磨きの仕方、もののしまい方など、
一つひとつをまず見せることで、子どもが「自分でもやってみたい」「わかった」につながり、
さらに意欲的に取り組むことにつながっていきます。
何か失敗した時に「なんでこの子できないの?」と思うのではなくて、
「やり方がわからないのかな?」と、子どもの見方を変えてみてください。
試しに「見ててね」と声をかけ、やってみせてあげてください。
これを繰り返していくと、とても上手にできるようになっていきます。
できていたら、「できたね」と喜びを共感してあげください。
きっと、「またやってみたい」と自主的に取り組む姿が見られると思いますよ。
忙しい毎日の中でも、できた喜びを一緒に味わいながら子育てを楽しめたらいいですね。

(竹田)