Column

『心に残る先生』

みなさん、今でも心に残っている先生はいますか?小学校の先生や、部活の顧問・・・

きっと今これを読んでいる人はいろんな人を思い浮かべたのではないでしょうか?私は小学校5、6年生だった時の担任の先生が今でもずっと忘れられません。体が大きく、眼鏡をかけ、優しい笑顔を見せる先生でした。

でも、叱るときには厳しく、子どもと真剣に向き合ってくれる方でした。地元の集まりで小学生の時の話になると必ず出てくる先生の名前。社会人になってから、どうしても先生に会いたくて、みんなで探したこともありました。卒業した小学校に情報を集めに行き、仕事の合間に先生がいるかもしれない会社に連絡をとり、みんなで協力し、無事に再会することが出来ました。先生と最後に会ってから、10年後の出来事です。そこまでしても会いたい存在になったのはどうしてなのでしょうか?今回考えてみました。

 

小学校を卒業した年に友達と先生に会いに学校へ行ったのですが、そこで先生に言われた衝撃の言葉・・・「もう来るな」

言葉だけ聞けば子どもとしてはショックですよね。でも、私はそうは思いませんでした。

“きっとこの言葉裏には意味があるんだろうな”子どもながらにそう思った記憶があります。

今思えば、この言葉に込めた意味は

 

“過去ばかり見るのではなく、前を向いて歩んで行きなさい“

 

“小学校楽しかったな~”と言っている私達に対して、そう言いたかったのかなと思います。

小学校時代には自分達で考えさせる機会をたくさん作ってくれました。クラスでトラブルが起きた時にはクラス全員で話し合い、どう解決するのが良いのか・・・その様子を先生は見守る。

上手く解決できないこともありましたが、腹を割って話すことで、

 

  1. 相手の痛みを知る

  2. 表面だけの情報でなく、言葉の裏の意味に気づく

  3. 自分で感じて学ぶ

 

困っている時に全て答えを教えるのではなく、最低限の言葉しか言ってくれなかった先生。

だからこそ自然と“その言葉の意味って何なんだろう?”と考えていたと思います。今こうやってコラムを書きながら改めて “先生のクラスで良かったな”と感じています。

“子ども”ではなく“一人の人間”として接してくれた…。子どもの時には分からなかったことも、

大人になって先生の考えや自分達に対しての想いに気づき、なんだか胸が熱くなりました。先生の中で

“子ども達にはこうなってほしい”という愛情があったからこそ、子どもながらにその想いを感じ大好き

だったのだろうなと思います。

この保育園からもこれからたくさんの子どもが巣立っていきます。その子達が大きくなった時、

この園の職員がずっと子ども達の心に残っている存在であったらいいなと思います。 (宝田)