Column

子どもの視野・視覚

プールやお祭りなど、いろいろな体験を楽しんだ夏にも、
だんだんと秋の気配が近づいてきました。
新年度に入ってから半分近くが過ぎ、子ども達も心も体もより大きくなり、
たくましくなったように思います。
私が保育士になってから、たくさんの子ども達と関わる中で必ず見られる姿があります。
室内や戸外活動外で、真っ直ぐ前を見て歩いているはずなのに棚にぶつかってしまったり、
段差があることを伝えても、つまずいて転んでしまう。
ボールを投げてもすぐに見失ってしまうなどです。
これらは、子どもだから仕方ないと大人は考えがちですが、実は理由がちゃんとあるのです。

子どもはどのくらいの視力があるのか紹介します。
1歳:0.1、2歳:0.3~0.5、3歳:0.8、7歳:1.0視力があるそうです。
このことから、子どもも大人と同じくらいの視力があると思っていましたが、
子ども達が普段見ている世界は、ぼやけて見えているということになります。
また、視覚では子どもの目の高さは大人と比べてとても低いため、見える範囲がとても狭くなっています。

横断歩道を渡る時や、普段の生活の中で
「車が来てるよ」
「よく見て歩こうね」など、
何度言っても気を付けようとしないと感じることがあると思います。

私も、実際に保育現場で、
「階段は、よく足元を見て登ろうね」
「周りのお友達にぶつからないように走ろうね」と声をかけていても、
階段を踏み外してしまったり、友達とぶつかってしまう場面に何度も立ち会いました。
私たち大人の視野は “水平方向に150度、垂直方向に120度”。
それに対して子どもは(6歳児)“水平方向に90度、垂直方向に70度”しかありません。
大人と同じくらいの視野があると思いきや、子ども達の視野はとても狭いのです。
なので、横から車や自転車と言われても気付かなかったり、よく人や物にぶつかるのです。

大人よりも格段に視野が狭く、足もとも見えづらいため、大人と同じペースで歩いていると、
どうしても転んでしまったり、まっすぐ前を見なくなります。
子どもの安全を守るためにも、こういった特性を理解しながら、
転ぶのを前提に考え段差や身の回りに危険なものは置かないようにしたり、
「車が来てるからあぶないよ」
「向こうから人が来てるから気を付けてね」など、
きちんと説明をして周りを見るように促していけたらと思います。