Column

私達の使命、とは…?

自分は何のために働いているのか?
このことを考えるための例話として古代ギリシャ時代の「3人の石切職人」という昔話がありますが、
みなさんご存知ですか?

毎日たくさんの汗を流し、ひたすら石を切り、同じお給料で働いている石切職人がいました。
その職人たちが働く新しい教会を作っている町を一人の旅人が通りかかり、
そこで働いている3人の石切職人に、旅人がこう聞きました。

旅人:「何をしているのですか?」
一人目の石切職人は…「これでお金をもらい暮らしを立てているのさ」と答えました。
二人目の石切職人は打つ手を休めず…「この大きくて固い石を切るため、一生懸命努力をしているのさ。
腕を上げていつか町で一番の石切職人になるのさ」と答えました。
そして三人目の石切職人はその目を輝かせ、空を見上げながら
「これから何百年も町の人々が訪れ幸せが集まる立派な教会の土台を作っているのさ」と答えました。

石を切る作業は同じですが…
一人目は職業にこだわりはなく、生活のために働いています。
二人目は職業への誇りを持って、報酬以上の価値を見出しています。
三人目は仕事を通して、多くの人が喜ぶことを思いながら働いています。

同じ仕事をしている人に、同じ質問をしても全く違う答えが返ってきました。
これが仕事に対する目的や姿勢の表れです。

私たちの働く目的もさまざまですが、仕事の延長線上に誰かが喜ぶ姿を思い描くと、
より一層その仕事に誇りを持ち、やりがいを感じることが出来ます。

私たち保育士は「子どものため」はもちろんですが、「保護者の皆様」「地域の方々」など、
子ども達を取り巻く環境全てにおいて、「相手のため」を思い、
誰かを幸せにしたいという思いで仕事をしています。
その私たちの仕事に対する姿勢を身近で見ている子どもたちがいるからこそ、
その姿を見せ園から巣立った子ども達も自然と社会に貢献できる大人になってほしいと願っています。

仕事は時には辛いこともありますが、それ以上の喜びも与えてくれるものだと思っています。
子ども達の明るい未来のためにも、私たち大人がどのような姿勢で日頃過ごして行くか、職員に伝えていきます。

馬場 麻美